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The shining san

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投稿 by Osubicat Thu Jun 20, 2024 7:47 pm

第十六章



ソーラースカイはエンジェルウィングの墓の前で下をうつむくミストファーを呼びに来た。

エンジェルウィングは陽炎の民のすみかの<廃校>の裏にある海のよく見える崖に埋葬した。

「ミストファー、そろそろ出発しないと……」

「……わかった。行くよ。」

ミストファーは重い腰をあげ、仲間たちのまつ所へと向かった。

ソーラースカイはエンジェルウィングの墓の前で言った。

「ミストファーは僕が守ります。だから、安らかにお眠りください。」

その時、月が一段と輝いたような気がした。

ソーラースカイは向きを変え、その場を後にした。



<廃校>の前の空き地⎯⎯⎯⎯<二本足>の言葉でいうとグラウンドというらしい⎯⎯⎯⎯には蒼天の仲間たちが待っていた。

すでにライトやナイトウルフ、陽炎の民の犬猫たちにはお別れを言ってきた。

ライトシルバーは最後に「この恩は忘れない!」と言っていた。

 フォーグテイルは来たミストファーとソーラースカイを見ると皆に聞こえるように言った。

「よしみんな行くぞ⎯⎯⎯フォールハートが言い残したことが気になるから早めに行こう。」

旅の仲間⎯⎯⎯三匹の猫は森に戻るために駆け出した。



一同は陽炎の民の街の道を走っていた。

ソーラースカイは隣にいるミストファーをちらっとみた。

親友は虚ろな目をしている。

ソーラースカイは心が痛んだ。

ミストファーはエンジェルウィングと禁断の恋に落ちていたのだ。

そんな大切な連れ合いを失い、ミストファーは悲しいだろう。

僕にもそんな大切な猫が出来るだろうか?

ソーラースカイはふと思った。

蒼天の部族の同期のクラウディハートという雌猫は僕に好意を抱いてくれている。

でも、僕にはあの猫を愛せるだろうか。

なぜだか出来ない気がした。

頭のなかに一匹の黒い雌猫が浮かんだ。

その黒猫はソーラースカイの同期でありフォールハートと浮浪猫の間の娘であるミッドナイトポーだ。

ミッドナイトポーは僕やミストファーたちが戦士になるとき、行方不明になった。

ソーラースカイは気づいた。

もしかして僕、ミッドナイトポーのことが………

「みんな、一回止まれ!!」

フォーグテイルが叫んだ。

ソーラースカイとミストファーは急停止した。

なんだ?

ソーラースカイは周りを見回した。

ここは森にいくのに近道である<二本足>のこない路地裏だ。

ソーラースカイがフォーグテイルの目線の先をたどると数匹の猫がいた。

最初は陽炎の民かと思ったが、どうやら違うらしい。

その猫たちからは腐ったゴミの匂いがする。

陽炎の民が海のいい匂いがするのとま反対だ。

身体中に傷跡がたくさんある黒猫⎯⎯⎯恐らくこの浮浪猫たちの偉い猫だろう⎯⎯⎯が言った。

「おうおう、兄ちゃんたち。ここは通さねぇぜ?」

「俺たちは急いでいるんだ。通してくれないか?」とフォーグテイル。

浮浪猫の一匹が嫌らしい言い方で言った。

「嫌だね。通させないぞ。」

浮浪猫は爪をむき出し、続けた。

「リーダーに命令されてるんでね」

ソーラースカイは‘‘リーダー‘‘という言葉に疑問に思った。

自由気ままな浮浪猫を束ねるなんて、そうとうリーダーは強い猫なんだろう。

フォーグテイルは唸った。

「それなら戦うしか無さそうだな。」

浮浪猫がそれを聞くと、いきなりソーラースカイたちを襲った。

ソーラースカイは一般猫を炎で倒すわけには行かないので、普通に戦うことにした。

灰色の雄猫が飛びかかってきた。

ソーラースカイは敵のはらに潜り込み、腹を引っ掻いた。

灰色の浮浪猫は憎々しげに唸り、腹の下にいるソーラースカイを激しく蹴ろうとした。

が、ソーラースカイは浮浪猫の足を蹴り、バランスを崩させ、素早く灰色の猫を押さえつけた。

灰色の雄猫は降参するような姿勢をとったので、ソーラースカイは離してやった。

浮浪猫はどこかに逃げていった。

ソーラースカイはフォーグテイルやミストファーの手助けに行こうとしたが、それはもう意味がなかった。

ミストファーは浮浪猫を追い返している。

フォーグテイルは傷跡が目立つ黒猫を押さえつけている。

フォーグテイルはつよくたずねた。

「リーダーとは誰だ?森の猫か?」

黒猫は牙を剥いた。

「言うわけがないだろう?」

その一言にフォーグテイルは押さえる力を強くし、ソーラースカイは前足に炎を纏った。

それに怯えたのか、黒猫は白状した。

「⎯⎯⎯リーダーは黄金色の毛をした雄猫だ。ソウテンノブゾクってとこのお偉いさんらしい。」

ソーラースカイは黒猫が言っている猫が誰かわかった。

ルールスターだ。

フォーグテイルもわかったようだ。

フォーグテイルは少し考え込むと、黒猫にうなった。

「もうその猫と協力するな。それなら命を助けてやる。」

黒猫はフォーグテイルとソーラースカイを見ると頷いた。

「わかったよ……」

フォーグテイルは黒猫を離した。

黒猫は走って、街のなかに消えた。

フォーグテイルはみなに訪ねた。

「怪我はないか?」

ソーラースカイとミストファーはお互いを確認すると言った。

「ないです。」

フォーグテイルは頷くと言った。

「……ルールスターはどうやら何かしでかしそうだ。早く行くぞ!」

フォーグテイルは駆け出した。

ソーラースカイとミストファーはフォーグテイルの後を追った。

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投稿 by Osubicat Thu Jun 20, 2024 7:49 pm

ついに二ページまでキターーー( ☆∀☆)

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投稿 by Osubicat Thu Jun 20, 2024 7:52 pm

第十七章



ずっと走り続け、蒼天の部族が縄張りにしている森が見えた。

ソーラースカイの体は疲れているが、そんなことどうでもよくなった。

今部族は危機に陥っているかもしれないのだ。

 やがて蒼天の部族と霧氷の部族の境界線なっている<轟きの道>についた。

この道をたどっていけば、キャンプへの近道だ。

馴染みのある景色が見えてきて嬉しいのか、フォーグテイルは耳をピンとたてている。

ミストファーは相変わらず悲しみに満ちた顔をしている。

 先頭のフォーグテイルが向きを変え、森のなかに入っていった。

二匹もそれをおう。

蒼天の仲間たちの匂いが嗅ぎとれ、ソーラースカイは嬉しくなった。

 シダの茂みが横腹をかする。

ソーラースカイは気にせず走った。

 やがて、キャンプのいばらの壁と入り口がやがて見えてきた。

ソーラースカイはキャンプの中に入ろうとした。

が、フォーグテイルがそれをしっぽで止めた。

「まて、なんだか様子がおかしい。あそこの木に登って様子を見よう。」

フォーグテイルの言うとおりだ。

いつもは賑やかなキャンプが異常なほど静まり返っている。

フォーグテイルがキャンプの壁のすぐそばに生えていてキャンプのなかがよく見える木に飛び乗った。

ソーラースカイ、ミストファーも続いてのった。

キャンプを見ると、一族が一点を見つめているのが見えた。

その目線のさきには族長が演説するためにつかう丘 スプリングヒルの上にフラッシュシーズンと副長のルールスターがいた。

ソーラースカイはルールスターに不信感を抱けずにいられなかった。

フォールハートや浮浪猫が言った言葉にどうやらルールスターが関わっているらしい。

ルールスターはフラッシュシーズンを猟奇的な瞳で見ているのでソーラースカイはゾッとした。
フラッシュシーズンが何か言った⎯⎯⎯遠くてはっきりと聞こえない。

一族が集まっているのを見ると集会を行っているらしい。

フラッシュシーズンの後ろについていたルールスターが立ち上がった。

フラッシュシーズンが驚いたように黄金色の副長をみた。

次の瞬間ルールスターはスプリングヒルの上にいたフラッシュシーズンを突き落とした。

フラッシュシーズンは見事に着地すると大きな声で唸った。

「何するの?!」

ルールスターが言った。


「俺がこの部族を乗っ取ってやる!!」


それを聞いてソーラースカイは毛を逆立てた。

やはりルールスターは裏切り者だった!

フォーグテイルとミストファーも驚いているようで、僕の隣で目を見開いている。

 ルールスターは琥珀色の目で、一族を見下ろした。

「そのためにはお前⎯⎯⎯フラッシュシーズン。お前を殺す。」

ルールスターは前足で爪をむき出し、首を掻き切る仕草をした。

「俺に逆らうやつも殺してやる。」

一族は驚いて声がでないようだ。

誰もなにも言わない。

フラッシュシーズンはショックを受けているようだ。

「あなたが裏切るなんて……。あなたを信用して、私の息子がなくなったあと副長にしたのよ??」

ルールスターはニヤリと笑った。

「それも俺の計画の内だ。」

フラッシュシーズンは言った。

「なんですって?」

ルールスターはフラッシュシーズンにバカにするように言った。

「お前は気づかなかったんだな?俺が元副長⎯⎯⎯⎯お前の息子スカイファーを殺したことにな。」
ソーラースカイは呆然とした。

ルールスターが僕の父さんを殺したって?

フラッシュシーズンが悲しみと怒りが入り交じった表情をして口を開いたとき、看護部屋から一つの声が上がった。

「何ですって?」

看護部屋から黄色のはな飾りをつけた淡い茶色の雌猫が現れた。

ソーラースカイはハッとした。

あれは僕の母親のイエローフラワーだ。

イエローフラワーは今スカイファーを失った影響で心を病んでいるため、看護部屋で暮らしている。

イエローフラワーは言った。

「あんたが……あんたが私の連れ合いを殺したの!?」

「あぁ、そうだよ。」

イエローフラワーは狂ったように唸ると、看護猫のヴァーミリオンクラウドが止めようとするのもむなしく、スプリングヒルの上にいるルールスターに飛びかかった。

ソーラースカイは心のなかで叫んだ。

止めてくれ!!そんなの無茶だよ!

ルールスターは爪をむき出し、丘を登るイエローフラワーを引っ掻いた。

それだけで、イエローフラワーは吹き飛ばされ、意識を失った。

ソーラースカイは絶句した。

母さんに何するんだ!

ソーラースカイは怒りのあまり、キャンプに乗り込むところだったが、フォーグテイルに止められた。

「今はダメだ。どこかいいタイミングがあるはずだ。」

 一族はイエローフラワーを引っ掻いたルールスターにけなすように反論の声をぶつけた。

僕の同期のバーンレッグが言った。

「副長の裏切り者!!」

クラウドウェスカー⎯⎯⎯⎯フォーグテイルと兄弟だ⎯⎯⎯⎯が唸った。

「最低だな。」

だが、ルールスターは見向きもせず尻尾を激しくふった。

「そうかそうか、お前らは俺に従わないと言うことか。いいだろう。」

その時、キャンプの入り口付近に気配を感じ、ソーラースカイはキャンプの入り口をみた。

そこには浮浪猫の軍団がいた。

ルールスターは一族を襲撃しようとしているんだ!

ソーラースカイは悟った。

ソーラースカイはとっさに叫んだ。


「襲撃だ!!!」

それと同時にルールスターが大きな唸り声で言った。

「かかれ!!」

キャンプの入り口から浮浪猫がなだれ込み、争いが始まった。

フォーグテイルが言った。

「みんな!一族をたすけるぞ!!」


ソーラースカイたちは木から降り、戦いに飛び込んだ。

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投稿 by Osubicat Thu Jun 20, 2024 7:54 pm

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蒼天のキャンプ

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投稿 by Osubicat Fri Jun 21, 2024 9:53 pm

新入り戦士になってる
ヨッシャーーー!!!

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投稿 by Osubicat Mon Jun 24, 2024 7:53 pm


第十八章



ソーラースカイはキャンプのなかにはいると、すぐ近くにいた焦げ茶の浮浪猫を引っ掻いた。

浮浪猫は怒りの声をあげ、ソーラースカイの背中の上に飛びかかってきた。

ソーラースカイは転がり、背中にしがみつく浮浪猫を地面に叩きつけた。

浮浪猫は一声唸ると、争う猫たちの群れへと消えていった。

一息つくまもなく、黒い雄猫が飛びかかってきた。

その猫の大きさにソーラースカイは驚いた。

普通の体型よりやや大きめのソーラースカイの二倍ほどの大きさはある。

黒猫はゴツい前足でソーラースカイを引っ掻こうとした。

ソーラースカイは間一髪でそれを避けた。

恐らく当たっていたら恐ろしいことになっただろう。

ソーラースカイは素早く黒猫の後ろにまわり、飛びかかった。

 黒猫は背を低くし、ソーラースカイを避けた。

黒猫が唸り、ソーラースカイと取っ組み合った。

ソーラースカイは必死に黒猫を噛んだり、引っ掻いたりした。

次の瞬間、ソーラースカイは宙に浮かんだ。 

黒猫がソーラースカイに強い蹴りをし、ソーラースカイは飛ばされたのだ。

黒猫はにたりと笑い、ソーラースカイは地に強く押さえつけた。

ソーラースカイはもがいたが、前足はむなしく宙をかくだけだ。

「やめなさい、シャープ。」

聞き馴染みのある声が聞こえた。

クラウディハートだ。
ソーラースカイはとたんに疑問に思った。

なぜ、彼女は黒猫の名前を知っているんだろう?

クラウディハートは黒猫と押さえつけられているソーラースカイに駆け寄った。

クラウディハートはソーラースカイを見下ろした。

仲間が敵に押さえられているのに、クラウディハートは一向に助けようとしない。

ソーラースカイは理解した。

クラウディハートは裏切り者 ルールスターの仲間なんだ。

だから黒猫はクラウディハートを襲わないし、クラウディハートは黒猫の名前を知っていたんだ。

クラウディハートはソーラースカイを見下ろした。

「ねえ、あなたにいい案があるの。」

ソーラースカイはクラウディハートを見た。

押さえつけられている痛みで声がでない。

クラウディハートは微笑んだ。

「私の連れ合いになってくれるのなら、助けてあげるわ。」

ソーラースカイは目を見開いた。

そんなとりひきを持ちかけてくるなんて!!

クラウディハートは言った。

「なんなら、権力も与えるわ。どう?」

ソーラースカイは同期の彼女に激しい怒りを覚えた。

仲間を助けるためにそんな取引は絶対におかしい!!

ソーラースカイは言った。

「断る。僕は蒼天の部族に忠実だ!」

驚くほど自分から冷たい声が出た。

「君の条件は飲めないよ。僕には好きなねこがいるんだ!!」

クラウディハートは傷ついた顔をした。

だが、それは一瞬だけだった。

クラウディハートは憎々しげに唸り、ソーラースカイの首筋に爪を当てた。

ソーラースカイの毛皮に血がにじむ。

「じゃあ、死んで?」

ソーラースカイは毛皮に炎を纏った。

クラウディハートは怯み、黒猫⎯⎯⎯⎯シャープはソーラースカイから手を離した。

ソーラースカイは向きを変え、その場を去った⎯⎯⎯⎯裏切り者とはいえ同期の彼女を傷つけたくないからだ。

 ソーラースカイは裏切り者のルールスターを探した。

ルールスターは恐らく真っ先に族長であるフラッシュシーズンを襲うだろうとソーラースカイは予想していた。

ソーラースカイは飛び交う爪を避けながら裏切り者と族長を探した。

 やがてルールスターを見つけた。

ルールスターはソーラースカイの予想通り、フラッシュシーズンを襲っていた。

フラッシュシーズンはぐったりとしている。

ソーラースカイは全身に炎を纏うと、ルールスターに飛びかかった。

「やめろオオオオオ!!!!」

ソーラースカイの口から凄まじい怒号が放たれた。

ルールスターはソーラースカイを見つけると唸った。

ソーラースカイはルールスターの横腹を引っ掻いた。

だが、相手は大きく筋肉の引き締まった黄金色の毛をした雄猫だ。

ソーラースカイの攻撃はなかったように、ルールスターはソーラースカイの背中に牙を食い込ませた。

激しい痛みにソーラースカイは身をよじらせ、ルールスターから逃れた。

ソーラースカイは炎を使い、早く駆け出した。

その時、傷だらけのフラッシュシーズンが立ち上がりルールスターの背中に馬乗りになり爪を食い込ませた。

フラッシュシーズンの爪から激しい電流が流れた。

ルールスターは苦しげに唸り、フラッシュシーズンを振り下ろした。

フラッシュシーズンが攻撃したお陰でルールスターに隙が生まれた。

ソーラースカイはルールスターの喉を掻き切った。

ルールスターは倒れ込んだ。

ルールスターは激しく唸った。

「くそっ、くそが!!」

ソーラースカイは裏切り者を見下ろした。

フラッシュシーズンも銀が混じった灰色の毛を苦しげに波打たせ、ルールスターを見た。

ルールスターはやがて激しく痙攣すると、目から光が消えた。

それをみたルールスターの仲間の浮浪猫の白猫が言った。

「ルールスターが死んだ!!退却……退却だ!!」

浮浪猫たちはあわてて、逃げていった。

最後に黒猫のシャープがこちらを睨むと、キャンプから姿を消した。

ソーラースカイはほっとした。

争いは終わったのだ。

その時、ソーラースカイの首筋に激しい痛みが走った。

ソーラースカイの喉がぱっくりと切れていて、そこから血が吹き出ている。

ソーラースカイは訳がわからず、目の前を見た。

死んだはずのルールスターが立ち上がっている。

ルールスターの瞳は怪しい紫色に変わっている。

その瞳の色にソーラースカイは見覚えがあった。

フォールハートだ。

「『ふはは!ついについにこいつの力を奪えた!』」

ルールスターとフォールハートの声が重なった声だ。

ソーラースカイの意識が遠ざかり、めのまえが真っ暗になっていく。

「ソーラースカイ!!!」

ミストファーの声が聞こえる。

ソーラースカイは地面に倒れた。

最期にみたのは、ルールスターの体を乗っ取ったフォールハートがフラッシュシーズンや蒼天の仲間たちを襲っているところだった。

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投稿 by Osubicat Mon Jun 24, 2024 7:55 pm

第十九章



ソーラースカイは暗い闇に浮かんでいた。
ひんやりとする闇が毛の中に染みる。
『ソーラースカイ、起きろ。』
聞いたことがある声⎯⎯⎯⎯恐らく陽炎の民にいたときに聞こえた声だろう⎯⎯⎯⎯が聞こえた。
ソーラースカイの横腹を誰かがつついた。
ソーラースカイは薄目を開け、毛を逆立てた。
ソーラースカイの目の前に驚くほど大きく太陽のように輝く猫がいた。
ソーラースカイは勢いよく立ち上がり、その猫から距離をとった。
その猫はやがて光が消え、太陽色と白の毛をした雄猫が現れた。
その猫にソーラースカイは見覚えがあった。
「サンライズアイ?」
そこにはソーラースカイの祖父であり、英雄のサンライズアイがいた。
ソーラースカイは思った。
なぜ、僕はここに?
死んだら《時を司る一族》の元に行くんじゃないのか?
『君は死んでいない。今君は生死の間にいるんだ。』
ソーラースカイは訳がわからず、サンライズアイを見た。
サンライズアイは続けた。
『僕は君を現世に戻すために来たんだ。
君は太陽。太陽の力は影を打ち消す。』
サンライズアイはソーラースカイの肩に尻尾をのせた。



『さぁいくんだ、ソーラースカイ!!』




ソーラースカイの意識は現世に戻った。
キャンプは混沌に満ちていた。
ルールスターの強靭な体を奪ったフォールハートが暴れている。
それに対抗している戦士はみな傷だらけだ。
フラッシュシーズンも血塗れだ。
雷をフォールハートに当てているが効果はない。
イエローフラワーやクラウドウェスカーは血塗れでぐったりと倒れている。
ソーラースカイは立ち上がった。
仲間たちが驚いたようにソーラースカイを見た。
それもそうだ。死んだはずの戦士が生き返ったのだから。
フォールハートは紫色の瞳をソーラースカイに向けた。
『なぜ?お前は死んだはずだ。』
フォールハートはソーラースカイをしげしげと見ると、納得したように言った。
『なるほど。お前……サンライズアイと話したな?』
「ああ、話したさ。僕は祖父の敵を打つよ。お前に殺された祖父や戦士のためにな!」
フォールハートは返事をしなかった。
フォールハートは全身に影を纏った。
本気でソーラースカイを殺そうとしているようだ。
ソーラースカイも負けじと太陽の炎を鳥の翼のように背中から生やした。
ソーラースカイの力は死にかけたお陰で、覚醒した。
対する二匹の視線がぶつかり合う。
次の瞬間、太陽と闇の影は交差した。
ソーラースカイは唸り声を上げて、フォールハートに跳んだ。
フォールハートはソーラースカイを避けようとした。
が、ソーラースカイは炎を使い加速し、フォールハートの肩に鋭い爪を深く食い込ませた。
フォールハートはソーラースカイの目を失明させようと影で黒くなった爪で引っ掻こうとした。
ソーラースカイはギリギリで避けた。
ソーラースカイは突き出た前足をかみ、フォールハートを向こう側に投げた。
フォールハートは宙を浮いた。
ソーラースカイは炎の翼をはためかせ、高く飛び上がった。
その様子はまるで炎を全身に纏った不死鳥に見えただろう。
ソーラースカイは空を舞うフォールハートの背中を孟スピードで蹴り、フォールハートを地面に打ち付けた。
この一撃でフォールハートに大ダメージを与えれたらしい。
フォールハートを纏っていた影は割れ、黄金色の毛をしたからだが出てきた。
ソーラースカイはそれをみのがなかった。
ソーラースカイはフォールハートの上に覆い被さり、フォールハートのあらわになった喉元を噛みついた。
口のなかに鉄っぽい味が広がる。
フォールハートはソーラースカイを引っ掻いていたが、やがて引っ掻く力が弱まり、動かなくなった。
ソーラースカイはフォールハートを離した。
フォールハートが乗っ取っていたルールスターの体から、フォールハートの魂が出てきた。
ソーラーに迷わずフォールハートの魂を炎で燃やした。
『ぎゃぁぁぁぁぁあ!!!』
魂は一度猫のかたちを模したかと思いきや、やがて塵となり消えた。
ソーラースカイはその様子を見ていた。
戦いは終わったのだ。
ソーラースカイが空を見上げていると、ミストファーたちが駆け寄ってきた。
「すごいじゃないか!」
「帰ってきてくれて嬉しいよ!きみはひーろーだ!!」
蒼天の仲間たちの声が聞こえ、ソーラースカイは嬉しくなった。
その時フラッシュシーズンがよろよろと倒れているイエローフラワーとクラウドウェスカーの元に駆け寄り、その場で倒れた。
 看護猫のヴァーミリオンクラウドが倒れ混む族長やイエローフラワーやクラウドウェスカの様子を見に行った。
ソーラースカイは族長たちが心配で、看護猫に駆け寄った。
蒼天の仲間たちも駆け寄る。
ヴァーミリオンクラウドは悲しみに満ちた顔をした。
「イエローフラワーとクラウドウェスカーはなくなっています。フラッシュシーズンは……生きていますが重症です。」
ソーラースカイはそれをきいて胸が引き裂くような悲しみに襲われた。
父さんがしんで僕には母さんしか家族がいないのに!!
しかもフォーグテイルの兄弟であり、僕の同期のミストファーとクラウディハートの父親であるクラウドウェスカーまで亡くなってしまった。
族長であるフラッシュシーズンも重症を負ってしまった!
フラッシュシーズンは顔だけをあげ、かすれ声でみなに言った。
「みんな大丈夫?」
フォーグテイルは辺りを見回して言った。
「イエローフラワーやクラウドウェスカーは亡くなりましたが、その他は軽傷ですんでいます。」
フラッシュシーズンは戦士たちを追悼するようにうつむいた。
フラッシュシーズンは顔をあげ、言った。
「あの二匹は《時を司る一族》の元で狩りをしているわ。」
フラッシュシーズンが咳き込んだ。
ヴァーミリオンクラウドが薬草をフラッシュシーズンに押し付けながら言った。
「フラッシュシーズン、じっとしてください。あなたの傷は重傷なんですよ?」
「私に薬草をやっても無駄よ。私はもうすぐで死ぬわ。」

「そんなぁ!!」
フラッシュシーズンのその言葉に一族は悲しみの声を上げた⎯⎯⎯⎯たった一匹 クラウディハートは離れた場所で無表情で空を見ているだけだが⎯⎯⎯⎯。
ソーラースカイは心に大きな穴が空いたような感覚に陥った。
フラッシュシーズンは僕が生まれる前から族長だったというのに……
 フラッシュシーズンは看護猫の手当てを前足で押さえ、力強く言った。
「わたしの後任を今ここで発表します。」
一族がざわめき出した。
フラッシュシーズンは目を閉じた。
ソーラースカイはフラッシュシーズンが一向に目を開けないので、亡くなっていないか心配になった。
フラッシュシーズンは決意したように目を開けた。
稲妻色の瞳が一段と真夜中の光を浴びて輝いている。
ソーラースカイはフラッシュシーズンを見た。
後任は一体誰なんだろう?



「……後任の族長はソーラースカイにします。」

ソーラースカイは信じられずに、フラッシュシーズンを見た。
僕が族長に??
きっと聞き間違えたんだ。
ソーラースカイは自分に言い聞かせたが、族長の瞳は完全に僕を見ていた。
「引き受けてくれる?ソーラースカイ。」
ソーラースカイは言った。
「僕がですか?でも僕に一族を率いることなんてできません!!」
「あなたは陽炎の民だけでなく、蒼天の部族を救った。あなたこそ族長に一番向いている。」
ソーラースカイは辺りを見回した。
一族はみなフラッシュシーズンの意見に賛成しているらしく、ソーラースカイを敬意に満ちた目線を送っている。
ソーラースカイはみんなの様子を見たあと言った。
「わかりました。族長やみんながそう望むのであれば……」
ソーラースカイはフラッシュシーズンに言った。
「でも、あなたは死にません。
いいえ、死なないで!!」
フラッシュシーズンはソーラースカイを見ていった。
「ふふ、あなたは本当に私の連れ合いにほんとうそっくりね。
ソーラースカイ、私はあなたを元弟子であり私の子孫として、そして何より新しい族長として応援してるし、愛してるわ。」
フラッシュシーズンはフラッシュシーズンを囲むように座る一族に言った。
「みんな今までありがとう。私はみんなのような一族の族長になって嬉しかった。」
フラッシュシーズンの目線はやがてフォーグテイルに止まった。
「フォーグテイル。一族をよろしくお願いします。」
フォーグテイルは悲しみに満ちた顔から一変し、勇敢で頼りになるような真剣な顔になり頷いた。
フラッシュシーズンは涙を流した。
ソーラースカイは族長が涙を流しているのを始めてみた。
「さよなら。みんな。私は一足先に《時を司る一族》の元にいってあなたたちを見守っているわ。」
フラッシュシーズンは目を閉じた。
ソーラースカイは族長が亡くなったということがすぐにわかった。
偉大なる族長は《時を司る一族》の元に行ってしまった。
ソーラースカイはフラッシュシーズンの毛に顔をうずめた。
まだ暖かい体と、フラッシュシーズンの言葉にソーラースカイはなんだか勇気を貰った。
一族が追悼するように鳴き始めた。
 ソーラースカイが空を見上げると、もう夜が明け始めていた。
ソーラースカイは立ち上がり、族長が演説するための丘 スプリングヒルに飛び乗った。
「……一族の集会を始めるぞ。」
ソーラースカイはフラッシュシーズンが行っていたように言った。
一族は悲しみに満ちた顔で、スプリングヒルの下に集まってきた。
たくさんの瞳が一斉に僕に向けられ、ソーラースカイは落ち着かなくなり毛を逆立てた。
が、すぐに毛を押さえた。
「まず始めに、裁判を行う。クラウディハート、前へ。」
クラウディハートは猫の集団から出て、スプリングヒルの前に座った。
そして彼女の裁判が始まったのだ。



ここからは空白なしでいきます。
見栄ずらかったらこめんとください

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投稿 by Osubicat Mon Jun 24, 2024 7:59 pm

第二十章




一族は前に出てきたクラウディハートを見て驚いた顔をしている。
ソーラースカイは気づいた。
一族はクラウディハートが裏切り者だということを知らないのだ。
ソーラースカイは皆に聞こえるように言った。
「この猫は僕が浮浪猫に襲われていた時に、僕を助けず取引を持ちかけてきました。僕がそれを断ると、クラウディハートは僕を殺そうとしました。彼女はルールスターと協力関係でした。」
一族が驚きと敵意に満ちた声を上げた。
ソーラースカイはクラウディハートを見ていった。
「まず、君はルールスターに手を貸した。これは間違えないか?」
クラウディハートは目を細め言った。
「ええ。間違いないわ。私はルールスターがしきる浮浪猫の幹部であり、ルールスターの部下よ。」
ソーラースカイは落ち着いて話すクラウディハートに内心驚いていた。
いつもの彼女なら怒って言い返してくるはずなのに。
今の彼女は無表情でソーラースカイを見上げている。
ソーラースカイも冷静に言った。
「なぜ、ルールスターに手を貸した?彼は生まれ育った一族を危険に陥れたんだぞ?」
「彼は私の指導者であり、尊敬する猫です。」
クラウディハートは怒り狂った一族をちらりと見ると続けた。
「彼の命令に従うのは絶対です。」
ソーラースカイは言った。
「君はルールスターとフォールハートの計画を知っていながら教えなかったんだな。」
一族の誰かが叫んだ。
「裏切り者!!!」
それを合図にクラウディハートに対しての唸り声がキャンプに響き渡った。
ソーラースカイは一族に静かにというように尻尾で合図した。
一族が静まるには時間がかかった。
ソーラースカイは訪ねた。
「ルールスターとフォールハートが何を考えていたのか教えてほしい。」
クラウディハートは少し間を開けると言った。
「わかった。もう二匹とも死んでしまったから隠す意味もなくなったしね。」
クラウディハートは言った。

「ルールスターはフォールハートが起こした襲撃で、フォールハートをフラッシュシーズンから守るために殺したときから、夢を見るようになったの。
その夢はフォールハートが出てきて、族長になるための指導をするというものだったらしいわ。
そのうち、ルールスターは族長の座に着きたいという野心に燃えるようになったわ。
まず始めにルールスターは前の副長スカイファーを手にかけた。
そしてルールスターは副長になった。
次に狙われるのは……そう族長のフラッシュシーズンよ。
フォールハートは彼女に自分の犯した罪を暴かれ追放されたのもあって、蒼天の部族を憎んでいたわ。
ルールスターとフォールハートは手を組み、フォールハートが聖なる力を手にいれ、蒼天の部族に復讐し、弱った一族をルールスターが支配するという計画を立てた。
そして今に至るわ。
フォールハートは約束を破り、ルールスターの体を乗っ取ったけれど、死んでくれてよかったわ。生きていても面倒なことになったし。」
クラウディハートのいつになく冷ややかな声を聞き、ソーラースカイはゾッとした。
クラウディハートは真実を知りながらも一族を助けず、裏切ったのだ。
ソーラースカイが口を開くと、クラウディハートが遮った。
「あなたたちは知らないでしょうけれど、私はもうひとつの罪をおかしている。同期の彼女⎯⎯⎯ミッドナイトポーを殺したのはこの私よ。」
ソーラースカイはそれを聞き、怒りが心の奥底からふつふつと上がってくるのを感じた。
ミッドナイトポーを殺しただって??
クラウディハートはいった。
「彼女は邪魔だったのよ。私の恋を邪魔したのよ。私は浮浪猫とフォールハートの子供の彼女がだいっきらいだったわ。」
「だからといって、ミッドナイトポーを殺すのは違うだろう!!」
群れの中でひときわ大きな声が上がった。
ミストファーだ。
クラウディハートはミストファーを無視し、ソーラースカイに唸った。
「ソーラースカイ。私はあなたが大好きだったわ。でもあなたは彼女が好きだってことが分かってた。だから私は……彼女を殺したわ。」
ソーラースカイは彼女がそんなに僕のことを思っているのに驚き、なんだか申し訳なくなった。
が、すぐにその感情は吹き飛んだ。
ソーラースカイはクラウディハートにうなり声で言った。
「君は大きな罪を犯した。僕は君を許せないよ。」
クラウディハートはかっと目を見開き、言った。

「私はこんなに愛しているのに!」

キャンプは少しの間沈黙に包まれた。
ソーラースカイはクラウディハートに言った。
「君を一族から追放する。今日の夕方に我々の縄張りにいたら敵として見なすからな。」
クラウディハートは立ち上がり、一族を掻き分けてキャンプの入り口に歩いていった。
クラウディハートは振り返り、ソーラースカイを見た。
その瞳に写るのは、怒りと苦しみと……悲しみ?
クラウディハートはキャンプから出ていった。

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投稿 by Osubicat Tue Jun 25, 2024 9:35 pm

第二十二章



ソーラースカイは心地よい風に目を開けた。
そして目の前の光景にソーラースカイは目を疑った。
頭上には青空が広がっていた。
ソーラースカイは立ち上がり、あたりを見回した。
回りは輝く森しかない。
ソーラースカイは困惑した。
《時を司る一族》はどこだ?
『ようこそ、ソーラースカイ。』
ソーラースカイはどこからか聞こえる声の主を探した。
声の主はすぐそばにいた。
青空からその猫は降りてくる。
その猫は美しい白い雌猫で、目はこれまでに見たことがないほどの綺麗な青色をしていた。
『9生を預かる準備はできている?』
その猫がいうので、ソーラースカイは頷いた。
「できています。」
『よろしい。』
ソーラースカイは白猫のことを知らなかったので訪ねた。
「あなたは誰なんですか?」
白猫は答えた。
『私は蒼天の部族の初代族長 ブルースカイ【蒼い空】よ。』
ソーラースカイは驚いた。
初代族長?!
蒼天の部族の名前の由来はきっと初代族長のブルースカイだな、とソーラースカイは密かに思った。
『さぁ、話に戻るけど、あなたは陽炎の民を救い、蒼天の部族の裏切り者を倒した。【黒猫と陽炎が対決し、太陽は覚醒する】予言は確かだったわね。』
ブルースカイはそう言い、ソーラースカイに一歩近づいた。
『あなたは本日から蒼天の部族の族長として尽くすことを誓いますか?』
「はい、誓います」
ソーラースカイは震える声でいった。
ブルースカイは微笑み、ソーラースカイに前足で触れた。
 その時、ソーラースカイの体に激痛が走った。
ブルースカイから強大な力をソーラースカイが受け取っているのをソーラースカイは感じた。
感情もなだれ込んできて、勇気、絶望、哀しみ、喜び、苦しみ、憎しみ、次々とソーラースカイの感情ではない感情が激しく渦巻いた。
ソーラースカイは苦しくなり、目をつむった。
やがて、それは収まりソーラースカイはからだの中に大きな力と、9生があるのを感じた。
ソーラースカイは目を開けた。
いつの間にかブルースカイのほかに、《時を司る一族》がソーラースカイを円く囲むように座っていた。
前列にはソーラースカイの顔見知りの猫たちがいた。
ソーラースカイは嬉しさと悲しさで心がうずいた。
サンライズアイにフラッシュシーズン、スカイファーとイエローフラワー、クラウドウェスカーもいた。
『私たちはあなたを新しい族長として認めます。』
ブルースカイが続けた。
『ソーラー‘‘シーズン‘‘!!!』
その声に会わせて、《時を司る一族》は森の部族が戦士になるときのように名前を呼んだ。

『『ソーラーシーズン!!ソーラーシーズン!!』』


ソーラーシーズンは新しい族長としての名前に余韻に浸っていたが、とあることに気づいた。
ミッドナイトポーがいない。
ミッドナイトポーはクラウディハートに殺されて亡くなってしまったはずなのに?
ソーラーシーズンはブルースカイに訪ねた。
「あの……ミッドナイトポーはどこにいるんですか?亡くなったのでここにいるはずでは??」
ソーラーシーズンの質問にブルースカイは明らかにギクッとした顔をした。
『そのうちわかるわ。』
そう言うと周りの景色が薄れ始めた。
「そんな!!待ってください!どういうことですか?」
だが、先祖の猫たちは何と答えず、跡形もなく消え去った。


ソーラーシーズンはぎくっとし、目を覚ました。
ヴァーミリオンクラウドがソーラーシーズンを見下ろしていた。
ソーラーシーズンは固くなった足腰をほぐした。
ヴァーミリオンクラウドは向きをかえ、洞穴の出口に向かった。
ソーラーシーズンもそれをおう。
 洞穴をでて、ソーラーシーズンは外の眩しさに目を細めた。
先程まで暗闇にいたのでいつもの日差しまでもが眩しい。
「9生は預かりましたか?」
ヴァーミリオンクラウドが訪ねた。
ソーラーシーズンは頷いた。
「9生預かったよ。」
ヴァーミリオンクラウドはほっとした顔をし、言った。
「さあ、帰りましょうか。あ、少しエンジェルウィングの墓にいってもよろしいでしょうか?僕、まだエンジェルウィングのお墓行けてないんです。」
「ああ、いいよ。」
ソーラーシーズンが許可したので、ヴァーミリオンクラウドは嬉しそうにしっぽをピンと立てた。
ソーラーシーズンはヴァーミリオンクラウドの隣に着いた。
新族長と看護猫はならび、《時の裂け目》をあとにした。

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投稿 by Osubicat Tue Jun 25, 2024 9:37 pm

エピローグ


光のベールを纏う猫たちが地上を見下ろせる泉のまわりに集まっている。
その泉に写るのは、灰色の雌猫と黒い雌猫だった。
灰色の雌猫⎯⎯⎯⎯クラウディハートは抵抗していたが、間も無くして黒猫が操る氷で体を突かれ、息を引き取った。
輝く猫たちのリーダー格らしき雌猫がいった。
『ついに彼女が動きだしたわね……』
『あぁ、ついに‘‘あれ‘‘が起こる。』
雄猫がそういい、泉に写る黒猫を見た。
黒猫は血のついた前足をふり、血を払いどこかに消えた。
その瞬間この《時を司る一族》の世界に彼女が入ってきた。
死んだ猫の世界に平然とはいれる彼女はそこまでの強大な力を持っているらしい。
黒い雌猫は髪(毛)で隠されていないもうひとつの紫色の瞳で《時を司る一族》の群れを見つけた。


私は死んだ猫どもを睨んだ。
「かつて見習いだった私を殺そうとした彼女は殺したぞ。」
私はそういい、目を細めた。
「次は私が元いた蒼天の部族含む森猫どもを皆殺しにしてやる。」
『やめなさい、ミッドナイトポー。』
前蒼天の族長だった銀と灰色の雌猫 フラッシュシーズンがいった。
それをきき、私は腹立たしくなった。
黒猫は低く唸った。
「ミッドナイトポーは死んだ。今の私はヴェノムクローだ。」
黒猫は片方の前足で死んだ猫たちを指さした。
「森猫の次はお前らだ。《時を司る一族》ども。」
ヴェノムクローはそう言い終わると、向きを変え《時を司る一族》の世界から姿を消した。


現世に戻り、ヴェノムクローは彼ら……ソーラーシーズンがいる森を見つめた。

お前らはみな殺す。
ヴェノムクローはにたりと笑い、住みかに向かっていった。



その時、族長のソーラーシーズンに嫌な予感がよぎり、
背筋が凍るような恐怖に身を震わせた。




第一部 完



あとがき

変な風に終わってしまいました…
続編(第二部)ありますので見てくれると嬉しいです。

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投稿 by Osubicat Fri Jun 28, 2024 7:58 pm

[h4]おためし

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投稿 by Osubicat Sat Jun 29, 2024 8:44 pm

[h4]お試しtwo[h4]

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