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太陽と月 〜入り乱れた予言〜

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投稿 by シャイニングナイト Sun Aug 09, 2020 2:31 pm

えーっと、これは私とサンウィングさんの
コラボ小説(交換小説)です!

題名勝手に作っちゃいましたが.......、
サンウィングさん、いかがでしょうか?

ちょくちょく更新出来たらなと思っています。

よろしくお願いします!!!


最終編集者 シャイニングナイト [ Fri Sep 18, 2020 7:27 am ], 編集回数 3 回
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太陽と月 〜入り乱れた予言〜 Empty Re: 太陽と月 〜入り乱れた予言〜

投稿 by シャイニングナイト Sun Aug 09, 2020 2:42 pm

☆登場猫紹介☆

サイドウェイズ族

族長 ダンデリオンギャラクシー(たんぽぽの銀河)♀
金茶色の雌猫。目は緑。足先と尻尾の先にギザギザ模様がある。《太陽が月を制する》というお告げを受けた。ティスルファーとの間にライオンポー。

副長 ムーンナイト(月夜)♀
黒い雌猫。足先としっぽの先が黄色い。目は藍色と空色のオッドアイ。賢い。混血が原因でいじめられている。鶏肉が好物。狩りと戦いなら、戦いが得意。独りでいることが多い。星の力を持っているが、まだ知らない。能力は見透せる。弟子は金茶色の雄猫ライオンポー。

看護猫 サンハート(太陽の心)♀
活発な三毛の雌猫。目は空色。おしゃべりで優しい。リスが好きで、リスを飼って世話している。今でも。リスの名前はリーフ。星の力はなんとなく知っている(特別な能力ということだけ)。能力は勘が鋭く、なんでもわかる。夢で何かいいことを妨げるもののことを詳しく見れる。弟子は濃い茶色の雄猫メイプルポー。

戦士 ティスルファー(アザミの毛)♂
藍色っぽい灰色の雄猫。目は水色。毛がツンツンしてる。賢い。族長の幼なじみ。みんなに好かれている。ダンデリオンギャラクシーの連れ合い。

戦士 グラススプラウト(草の芽)♀
クリーム色の雌猫。目は黄緑。年長戦士で経験豊富。誰にでも優しいので、甘やかしすぎてしまう。

戦士 フレイムペルト(炎の毛皮)♂
オレンジ色の雄猫。目は黄色。自尊心が高く、偉そう。自分の考えを否定されるのが何よりも嫌い。

戦士 フラワースマイル(花の笑顔)♀
白い雌猫。目は黄色。いつもニコニコしていて、鈍感。戦いは苦手だが、狩りは得意。

戦士 トールツリー(高い木)♂
焦げ茶色の雄猫。目は濃い緑。背が高い。しっかり者。フラワースマイルのことが好き。

戦士 クリアウォーター(透明な水)♀
青みがかった薄い灰色の雌猫。目は水色。気難しく、厳しい。指導者に向いている。

戦士 ダヴフライト(飛ぶハト)♂
灰色の雄猫。目は緑。「ま、いっか」が口癖。諦めが早い性格。陽気で明るい。

戦士 ソーンタロン(トゲの鉤爪)♀
黄金色の雌猫。目は水色。鉤爪が鋭く、戦いが得意だが、平和主義で温厚。

戦士 バザードウィング(ノスリの翼)♂
茶色の雄猫で白い斑点がある。目は黄色。声が小さく、ボソボソ話す。不信感が強い。

戦士 クラウディストーム(曇りの嵐)♂
淡い灰色っぽい雄猫。サンハートの父親。気難しい。目は空色。指導力がある。もうすぐ長老入りしそう。

戦士 ブルーアイ(青い目)♀
青っぽい雌猫。目は薄い青。サンハートの母親。優しい。薬草にも少し知識がある。戦いが得意。

戦士 ネクターフレグランス(蜜の香り)♀
白い雌猫。目は緑色。サンハートの姉。よくサボる。忘れっぽい。朝寝、昼寝、夕寝、夜寝をする。

戦士 ダークネスケーブ(闇の洞窟)♀
黒っぽい茶色っぽい雌猫。目は黄色。とても優しいが、過保護。ムーンナイトの母親。

見習い メイプルポー(楓の足)♂
濃い茶色の雄猫。目の色は琥珀色。いつも「あ、○○(薬草)のたくわえあったっけ」といっている。とても看護猫に向いている。心配性。

見習い ライオンポー(ライオンの足)♂
黄金色の雄猫。目は濃い緑。フサフサした毛をしている。勇敢で人気者。自信満々で堂々としている。雌に弱い。ダンデリオンギャラクシーとティスルファーの一人息子。

ジェッドブラック族

族長 サンダーギャラクシー(雷の銀河)♂
金色の雄猫。目はオレンジ。かなり厳しい。戦士の掟を破ることを少しも許さない。怒りっぽい。

副長 ホワイトバタフライ(白い蝶)♀
真っ白な雌猫。目は緑。怒りっぽい族長に逆ギレされてしまった猫達に謝るのが日課。かなりの苦労人。

看護猫 ラウドアイ(大きな目)♂
くすんだ茶色の雄猫。目は黄色。大きくてくりくりした目が特徴。基本的に温厚だが命に関わる事になると豹変。

戦士 ホリーテイル(ヒイラギの尻尾)♂
赤茶色の雄猫。目は水色。毛だけでなく、心もトゲトゲしている。だが、ホワイトバタフライの前では大人しい。

戦士 リヴァーウェイヴ(川の波)♀
灰色の雌猫。目は綺麗な青。子猫を構うのが好き。弟子は金茶色の虎柄の雄猫のタイガーポー(虎の足)。

戦士 ベリーフット(ベリーの足)♂
足先だけ赤茶色のクリーム色の雄猫。目はオレンジ。ホリーテイルの弟だが兄とは違い陽気。弟子は真っ黒な雌猫のダークポー(暗闇の足)。

戦士 リトルラビット(小さなウサギ)♀
薄茶の小柄な雌猫。目は緑。体が小さいことを気にしている。足が早い。弟子は藍色っぽい雄猫のディープポー(深い足)。

戦士 ミズルテイル(霧雨の尻尾)♂
灰色の雄猫で青っぽい斑点模様がある。目は緑。厳格。ムーンナイトの父親。

見習い タイガーポー(虎の足)♂
金茶色の虎柄の雄猫。目は水色。優しくてお人好し。ダークポーに馬鹿にされているが仲良くなりたい。ディープポーの親友。

見習い ダークポー(暗闇の足)♀
真っ黒な雌猫。目は緑。毒舌でよく誰かを見下している。だが、根は一族に忠実。木登りが苦手。

見習い ディープポー(深い足)♂
藍色っぽい雄猫。目は琥珀色。冷静で賢い。みんなの相談乗り。泳ぐのが得意で魚が好物。

ギャラクシー族

元族長 パールギャラクシー(真珠の銀河)♂
元サイドウェイズ族所属。真っ白な雄猫。目は青色。頼れる族長だが、たまにどこか抜けている。ノーレッジポーを信頼している。死因は、木から足を滑らせ転落死。

元戦士 レッドフット(赤い足)♀
元ジェッドブラック族所属。赤茶と白のブチ柄の雌猫。目はエメラルド色。ノーレッジポーと愛し合っていた。ギャラクシー族に入ってからサイドウェイズ族と過ごす事が増えた。死因は、愛する者に会いたくて自殺。

元見習い ノーレッジポー(知識の足)♂
元サイドウェイズ族所属。水色っぽい銀色の雄猫。目は黄色。賢いと崇められるのが嫌いで、普通の猫として接してくれたレッドフットに惚れる。グルーミングが趣味。死因は、自分と付き合っているという理由で自分の部族の雌猫に殺されそうになっていた愛する者をかばい死ぬ。

ムーンナイトが私。サンハートがサンウィングさん。途中でキャラクター増えるかもです。


最終編集者 シャイニングナイト [ Tue Aug 25, 2020 4:09 pm ], 編集回数 3 回
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投稿 by シャイニングナイト Sun Aug 09, 2020 7:00 pm

☆用語説明☆

ギャラクシー族…スター族の事

光の洞窟…母なる口のような場所の事

星のカケラ…キラキラ光る石。小さい月の石。

空のお言葉…お告げの事。

今はこれぐらいですかね.......?
増えたらつけたします!
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投稿 by シャイニングナイト Mon Aug 10, 2020 10:38 am

プロローグ

星々が眩しく輝いている夜。族長のダンデリオンギャラクシーは光の洞窟に来ていた。理由は、もちろん空のお言葉を受け取るため。夢の中で空のお言葉を聞いたが、あまりにハッキリしないため、詳しく聞きに来たというわけだ。
「ギャラクシー族様、どうかお言葉をお聞かせ下さい」
ダンデリオンギャラクシーは星のカケラに鼻を触れた。ジンジンと痛くなるぐらいに冷たかった。
「ようこそ、ダンデリオンギャラクシー」
前任族長のパールギャラクシー(真珠の銀河)が言った。いつも通り、真っ白な毛が月明かりに輝いている。
「夢で聞いたお言葉の意味をもう少し詳しく教えていただきに来ました」
ダンデリオンギャラクシーは丁寧に頭を下げた。
「ふむ。お前は今の所どう解釈しているのだ?」
パールギャラクシーはたずねた。
「いえ、今のところはまだ.......」
ダンデリオンギャラクシーは首を横に振った。
「では、言葉に表してやろう。《太陽が月を制する》」
パールギャラクシーはゆっくりと強調して言った。
「《太陽が月を制する》?日食は月が太陽を隠しますよ.......」
ダンデリオンギャラクシーはおずおずと答えた。
「そうだ。日食ではない」
パールギャラクシーはハッキリと言った。
「あの、まだこれじゃよく分かりません!」
ダンデリオンギャラクシーは慌てて言った。
「悪いな。これ以上は無理だ。後はお前がどう対処するか、どう解釈するかだ。期待しているぞ」
パールギャラクシーは言い残すと、消えた。
「太陽と月?日食の例外?いやそんなわけない」
ダンデリオンギャラクシーは考えては自ら反論し、また考えるを繰り返しながら帰った。その太陽と月が身近な存在であることを知らずに.......。
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投稿 by サンウィング Tue Aug 11, 2020 9:08 pm

おー!いいですねー!
たまに挟めばいいでしょうか?
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投稿 by シャイニングナイト Wed Aug 12, 2020 9:53 am

ありがとうございますー!
はい!2人でちょくちょく更新すると
いった感じで進めていきます(*^^*)
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投稿 by サンウィング Wed Aug 12, 2020 10:11 am

オッケーですー(*⌒▽⌒*)
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投稿 by フィッシュポー Fri Aug 14, 2020 5:48 pm

わあーすごく面白そう!!更新がんばってください!

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投稿 by シャイニングナイト Fri Aug 14, 2020 6:40 pm

フィッシュポーさん、
コメントありがとうございます!
精一杯頑張っていこうと思います!
よろしくお願いします!m(_ _)m
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投稿 by シャイニングナイト Fri Aug 14, 2020 7:07 pm

第1章

私はムーンナイト。3ヶ月ほど前に戦士になった新米だ。チラッとみんなを見ると、こっちを向いてヒソヒソと話している。私は首をすくめるとキャンプを飛び出した。私はサイドウェイズ族に所属している。だが、母親がサイドウェイズ族、父親がジェッドブラック族だった。両親のせいで私はいつも一族でも馬鹿にされ、浮いていた。こんなのって、酷い。私は悪くないのに。ただ、族長のダンデリオンスターは信用してくれている。副長にまでしてもらえた。だが、そのせいで生意気だと更に陰口を言われる羽目になってしまった。
「また考え事ですか?僕を訓練に連れて行ってくれるって言ったじゃないですか!!!」
叱るような声が聞こえた。私がうんざりと言った風に振り返ると、金茶色の雄猫が毛を逆立てていた。
「ライオンポー。私は確かに若いけれどあなたよりは年上だし、一応副長であり指導者。あなたに母親のような口を聞かれる筋合いは.......」
ムーンナイトはまたお小言を言おうとした。
「分かりましたけど.......、早く訓練に連れて行って下さいよ」
ライオンポーは不満そうにさえぎった。確かに少し生意気ではあるが、私はこの見習いには心を許していた。
「わかったわ。今日は川の方へ向かいましょう」
ムーンナイトは見習いの耳を軽くはじいた。
「わあい!早く行きましょう!」
ライオンポーは私の事を急かすようにつついた。
「分かってるわよ.......」
私は笑いながらため息をついたのだった。私が楽しめる時間はとても少なかった。ほとんどの猫に、嫌われていたから。
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投稿 by サンウィング Fri Aug 14, 2020 9:38 pm

第二章

あたし、サンハート。サイドウェイズ族の看護猫。薬草忘れそうだけどね。
「サンハート、薬草のたくわえちゃんとありますか?」弟子のメイプルポーの声がした。メイプルポーは心配性な濃い茶色の弟子だ。まだサンハートは若いが、忘れっぽいから弟子を付けよう、という理由と、まだ若いから一匹じゃ忙しいから、という理由で弟子を付けられた。
「うーんと・・・・あ、ノコギリソウが少ない!あ、ネクターフレグランスが甘いベリーだと間違えてイチイを食べた時に使ったんだ・・・・」サンハートは薬草のたくわえを見てため息をついた。ネクターフレグランスは戦士らしく働かないかしら!
「採ってきましょうか?」メイプルポーが申し出た。
「ありがと、おねがいするわ。あ、戦士を誰か連れて行ってよ!危ないから!」サンハートは言い終わる前に駆け出したメイプルポーに叫んだ。
「んー・・・・・・」サンハートは毛づくろいをして毛を整えようと思った。だが、思ったあとにすぐに姉のネクターフレグランスがコケのカーテンを押し分けて入って来た。
「サンハート〜、寝床がチクチクして気持ち悪いのぉ〜。なんでだと思う〜?」ネクターフレグランスは少し顔をしかめながらいった。眠そうだ。仕事しなさいよ。
「ただのトゲだよ。自分で取り除いて」サンハートは呆れながらいった。トゲぐらい気付いてよ。
「ありがとぉ〜」ネクターフレグランスは看護部屋を出て行った。
「さ、薬草をお父さんに届けなきゃ・・・・」サンハートは独り言をいって薬草を調合しはじめた。
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投稿 by シャイニングナイト Sat Aug 15, 2020 8:56 am

第3章

ライオンポーと川の方で戦いの訓練をした。水際だと色々状況が変わってくるので練習しておいた。昼頃になった時、私たちはキャンプに帰ってきた。すると、いきなり話しかけられた。
「おい、ムーンナイト。俺たちは仕事を与えられていない。だからこのメンバーでパトロールに行こうと思うが、1匹足りん。お前も来い」
フレイムペルトが偉そうに顎を上げた。
「あー.......、ムーンナイト、僕は獲物を置いてきますね」
ライオンポーはフレイムペルトの事が苦手なので、獲物をくわえるとそそくさと逃げて行った。後ろのメンバーを見て、私は嫌だと叫びたくなった。クリアウォーターとバザードウィングだ。この3匹は私を嫌っている。
「分かったわ。行きましょう」
副長なので嫌だと言う訳にもいかないし、相手がフレイムペルトなら尚更言ってはいけない。3匹はニヤニヤした顔をし、押し殺した笑い声を上げた。私はそれを気にしないようにパトロールに出かけた。水際に来た時、誰かが私を押した。私は川に突き落とされた。
「なに.......す.......るの!」
私は沈んだり浮いたりを繰り返しながら言った。
「目障りなんだよ、混血のくせに。2つの部族の血を引く猫はいらない。そんな奴が副長になるなんてもってのほかだ」
フレイムペルトが意地悪く笑った。
「混血の猫を受け入れて副長なんかにしたらギャラクシー族様からきっと罰がくるよ」
バザードウィングがボソッとつぶやいた。
「あんたの事は大っ嫌いだけど、戦士の掟は絶対守る。殺したりはしない。ただ、あんたの身の程知らずをわからせるだけ」
クリアウォーターが唸った。私は何とか浅い所まで行き、這い上がった。毛がびしょ濡れで重く、脇腹に張り付く。
「あんた達、今度やったら族長へ言うわよ」
ムーンナイトは脅すように警告した。
「ふん!族長に告げ口することしか出来ない臆病者!」
フレイムペルトが吐き捨てるように怒鳴った。
「集団で1匹をいじめる臆病者!」
私は言い返すと走り去った。誰も私を好いてくれない。あんまりだわ。
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投稿 by シャイニングナイト Mon Aug 17, 2020 9:49 pm

第4章

「ムーンナイト、それはどうしたの?」
ダンデリオンギャラクシーがたずねた。
「いえ.......。なんでもありません」
私は濡れた毛を気にしないようにした。
「川に落ちたの?」
ダンデリオンギャラクシーは心配そうだ。
「は、はい.......。そうです」
私は言いたい言葉をグッと飲み込んだ。落ちたんじゃない!落とされたのよ!でも、私のいじめなんかの話で迷惑をかけるわけにはいかない。族長は忙しい。
「風邪ひくわよ、サンハートに診てもらいなさい」
ダンデリオンギャラクシーは命令口調でいい、年長戦士組の方へ向かった。族長は仲のいい友達がいて羨ましい。反射的に湧いてきた嫉妬を私は慌てて押さえ込んだ。
「サンハート、いる?」
ムーンナイトは部屋に呼びかけた。
「いるわ。その声は.......ムーンナイト?」
サンハートは奥の方から少し考えてから言った。サンハートの大きめの声が洞窟に響く。
「川に落ちちゃったの」
ムーンナイトは看護部屋を少し進んだ。
「分かったわ、今行く!」
サンハートは駆け足でこちらに現れた。
「うーん、ヨモギギクとカモミールが効くわ」
サンハートは慌てて薬草を取りに行った。
「ねえ、メイプルポーは?」
私は少し気になってたずねた。
「ノコギリソウを採りに行ってるわ」
サンハートは優しく答えた。こんな他愛もない話をしたのはいつぶりだろうか?
「はい、薬草」
サンハートは私に薬草を差し出した。
「.......ねえ、自分が特別な力を持っていたら、って考えたことない?」
ムーンナイトは思わずたずねた。そう、ずっと思っていた。私は特別な力が欲しかった。みんなが私を認めてくれる様な力が。
「特別な力.......」
サンハートがギクッとした様に見え、しばらくすると意味ありげに目を光らせた。だが、私が首を傾げるといつもの温厚なサンハートに戻った。
「さてと。お喋りに付き合ってくれてありがとう、サンハート。もう行かなきゃ」
ムーンナイトは立ち上がった。
「またおいでね!」
サンハートは部屋を出ていきかけた私に向かって叫んだ。私は心が温まるのを感じた。サンハートは本当に太陽の様な猫だった。
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投稿 by サンウィング Tue Aug 18, 2020 7:11 pm

第五章

ムーンナイトが出て行くとサンハートはのびをした。サンハートはまだ、ムーンナイトが「自分が特別な力を持っていたら?」といったことを考えていた。あたしは、特別な力を持っている。もしかしたら、ムーンナイトも持っていて、それを知っているのだろうか?
「ハート~?あなた、ちょっと!」声がしてはっと振り返るとダンデリオンギャラクシーがいた。
「あっ、はい!すみません」サンハートは謝り、何の用だろうと考えた。
「ムーンナイトが川に落ちたことはないわ。それに、なにか言いたそうだった」ダンデリオンギャラクシーは考えながらいった。
「もしかしたらうっかりということもありますけど・・・・。何を言いたそうだったんですか?」サンハートはたずねた。
「わからないわ。でも、言いたそうだったのはたしかよ」ダンデリオンギャラクシーはいった。うーん・・・ムーンナイトでしょ・・・。
「誰かに突き落とされたとかですか?」サンハートは思いついていった。ムーンナイトはサイドウェイズ族とジェッドブラック族、どっちの血も引いた混血の猫だ。そのことで、ほとんどの猫から嫌われている。いじめられるとか、ありえる。
「だっ・・・・・誰によ?副長を川に突き落とすとか、ある?」ダンデリオンギャラクシーは驚きながらいった。あー!ムーンナイト副長だった!そういえば!忘れてた!
「サンハート、ただいま帰りました!大量ですよ!」メイプルポーが帰ってきた。こっちも忘れてた。
「あら・・・じゃあ、そろそろ出るわね。ムーンナイトに、ちゃんと全部いってときいてみるわ」ダンデリオンギャラクシーはさっさと出て行ってしまった。
「?族長が、なにかご用だったんですか?」メイプルポーは首を傾げた。
「ううん」サンハートは首を振り、「あ、ノコギリソウ、置いて」といいノコギリソウをみはじめた。
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投稿 by シャイニングナイト Tue Aug 18, 2020 9:51 pm

第6章

ムーンナイトはみんなからの冷たい視線を気にしない事にした。いつになったら、こんな気分にならずに暮らせるようになるだろう。
「ムーンナイト!ちょっと来て!」
ダンデリオンギャラクシーが私を呼んで尻尾で招いた。私は何かまずいことをしただろうか?そんな事を考えながら族長と共に族長部屋へ入った。
「ねえ、ムーンナイト、何か私に隠してるんじゃない?」
ダンデリオンギャラクシーは穏やかに聞いた。私はゴクリと唾を飲み込んだ。いじめられている話の事だろうか?思い切って話すべきかしら.......?
「あの、告げ口みたいになってしまうんですが.......」
私はゆっくりと切り出した。
「私は族長も知っている通り混血です。それで、その、混血の猫なんかが副長になるべきでは無いって一族のみんなは思ってて、私は1部の猫から.......、いじめを受けています」
私は言いながら、口の中がカラカラになるのを感じた。緊張で髭の先まで震えが走った。
「分かった。あなたが告げ口されたと思われたくないなら、言わないわ。.......ムーンナイト、秘密にしていたのはそれだけ?」
ダンデリオンギャラクシーは優しくうなずいた後、こっちの方が本題だと言いたげに聞いた。こんなの族長らしくなかった。私は何故こんなに族長に興味を示されているのだろうか。
「あとは特に心当たりはありません」
私は考えこんだ後に慎重に答えた。
「サンハートにした、特別な力の話は何か深い意味があるの?」
ダンデリオンギャラクシーはしつこくたずねた。なぜその話を知っているのか、なぜそんなに興味を示すのか、分からなかった。
「ただ、単純に欲しかったんです。一族に認めてもらいたくて」
ムーンナイトは口ごもった。
「.......ただ、私はたまに不思議な光景を見ます。目をつぶった後、開くと知らない場所を見ている時があります。何か関係があるでしょうか?」
私は首をかしげながら付け加えた。ムーンナイトはたまにジェッドブラック族の様子、遠くにある砂に打ち寄せる波の場所の様子、遠くの山の様子、飼い猫がぬくぬくと暮らす様子。見る光景は様々だ。もしかしたら自分が見たい光景を見る事が出来るかもしれないが試したことがなかった。ダンデリオンギャラクシーは深く考えこんだ。私がいるのを忘れてしまったのかと思い、声をかけようとした時、族長は顔を上げた。
「サンハート.......。ムーンナイト.......。太陽の心と月夜。太陽と月。そうよ!あなた達2匹が、予言の猫なんだわ!」
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投稿 by シャイニングナイト Thu Aug 20, 2020 2:44 pm

第7章

「どういう事ですか.......?」
ムーンナイトはポカンと口を開けた。
「予言が降りたの。《太陽が月を制する》とね」
ダンデリオンギャラクシーは説明した。私は予言が降りていながら私に知らせてくれなかったと知り、ガックリと肩を落とした。
「あまりあなたを疑うのは気が進まない。でも太陽が月を制するということは、太陽━━つまりサンハート━━があなたがしようとした悪い事を止めると言うことじゃないかと思うのだけれど.......」
ダンデリオンギャラクシーは言いにくそうに言った。
「私は一族に忠実です!!!」
私は勢いよく叫んだ。これだけは確信を持てた。例え一族に信じて貰えなくとも私の心はサイドウェイズ族に忠実だ。何があっても裏切らない。一族のためなら本気で命も惜しまないつもりだ。
「ええ、そうなのは分かっている。そうじゃなければ私はあなたを副長にしたりはしないわ」
ダンデリオンギャラクシーは慌てて言った。
「サンハートを呼んでくるべきです。お告げに関しては看護猫が1番よく知っているはずです」
私は族長に提案した。お告げの事も話せなかった混血でみんなに━━族長にも━━信用されていない副長なんかに話をしてないで、と苦々しく思いながら。
「そうね、そうするわ」
ダンデリオンギャラクシーは私の心の中には気づかずに素直にうなずき、部屋を出ていった。私は静かに目を閉じた。意識を境界線の向こう側にめぐらす。目を開けるとジェッドブラック族にいる私の父親のミズルテイルの姿が見えた。ホリーテイルと額を寄せあって喋ってクスクス笑っている。
「そういや、お前は子供のムーンナイトに会いに行けなくて寂しくないのか?」
ホリーテイルが好奇心で聞いた。ミズルテイルの毛が一気に逆立った。私は耳を傾けた。
「その話は持ち出すな。話したくない」
ミズルテイルは冷たく言った。私は顔を歪ませた。父親のくせに!少しも私のことを考えてくれないなんて!
「ムーンナイトは別部族だ、それに変わりはない。だが、アイツが俺の娘なのにも変わりはない。大集会で話しかけてもいいんだが、そんな事をしたら不忠実な行いだと思われかねない」
ミズルテイルはキッパリと言った。そこで私の意識は族長部屋に引き戻された。
「ムーンナイト?」
サンハートが心配そうに呼びかけている。
「えっ?な、何?」
私は戸惑いながら慌てて答えた。
「いくら話しかけても返事をしないんだもの」
族長が言葉を添えた。私はきまり悪さでうつむいた。
「さあ、改めて話をしましょう」
ダンデリオンギャラクシーは改めて言った。
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投稿 by シャイニングナイト Sat Aug 22, 2020 2:34 pm

第8章

「まだダンデリオンギャラクシーもサンハートもまだ言葉の意味を理解出来ていないようだな」
パールギャラクシーが困ったように言った。
「族長の伝え方が悪かったと思うけど?」
生意気に言い放ったのは、レッドフット(赤い足)だ。
「口を慎んでください、レッドフット。まあでも、確かに言葉の伝え方を失敗したようですね」
ノーレッジポー(知識の足)が言った。
「見習いは引っ込んでいろ」
レッドフットはノーレッジポーに食ってかかった。ノーレッジポーの毛が徐々に逆立っていく。
「言い争いはよせ。改めて言葉を送るべきか?」
パールギャラクシーが意見を求めた。
「はい、そうですね。僕にやらせて下さい」
ノーレッジポーがレッドフットを押しのけて名乗り出た。レッドフットは不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「いいけど、失敗はしないでね」
レッドフットが釘を刺した。
「本当に君は世話焼きだね。そういうとこ、好きだけど。ま、ちゃんとやるから安心してよ」
ノーレッジポーはウィンクした。
「ふん!」
レッドフットはそっぽを向いた。赤茶と白のブチ柄の顔がいつもより赤く見えるのは、はたして気のせいか.......?
「まかせたぞ、ノーレッジポー」
パールギャラクシーはそう言って送り出した。

「族長、族長。ダンデリオンギャラクシー。起きて下さい。空のお言葉を聞きたいんでしょう?」
ノーレッジポーは優しくささやいた。
「ん?あなたは確か.......、見習いなのにとても賢いと有名になった猫で.......、えーっと、ノーレッジポー?」
ダンデリオンギャラクシーは首をかしげた。無理もない。僕はダンデリオンギャラクシーが見習いになる前に死んだのだから。
「はい、そうです。《太陽が月を制する》は、悪い意味ではありません。2匹に固い友情さえあれば、一族は救われます。一族を救うためには2匹共、生きていないとですよね?お互いに助け合ってもらいます。太陽は月のある行動を止める、という意味の言葉です。これで、理解出来ましたね?後、2匹には教えてはなりません。これは2匹への試練です。1歩でも道を踏み外せば、サイドウェイズ族は終わりです」
ノーレッジポーはゆっくりと説明した。
「わ、分かったわ。私に出来ることは?」
ダンデリオンギャラクシーはたずねた。
「特にありません。見守ることしか。2匹とものことを何があっても見捨てないでくださいね」
ノーレッジポーはそう言うと夜空に消えた。
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投稿 by サンウィング Sat Aug 22, 2020 3:57 pm

第九章 

「クラウディーストーム、無理しないでちょうだい」サンハートの母、ブルーアイの心配そうな声が看護部屋の外から聞こえた。
「無理などしていない!ブルーアイ、心配しすぎだ!」続いて父、クラウディーストームの反抗的な声が聞こえる。
この頃父と母は言い争いばかりだ。今度はなんで?
「そんなわけないわ、目、こすっているじゃない!」それは大変!サンハートは部屋から出て、言い争いを止めにいった。
「お父さん、お母さん、言い争いはやめて!」サンハートはいった。イライラしているような表情にする。
「あ、サンハート!クラウディーストームが目を頻繁にこすっているの」ブルーアイが心配そうな顔をしていう。
「大丈夫だ!」クラウディーストームはまたもや反抗したが、目を前足でこすった。
「目、どうかした?」サンハートはたずねた。
「・・・・・目が痛い」クラウディーストームは諦めたようすで伝えた。
「じゃ、クサノオウがいるね。お父さん、看護部屋に来て」サンハートは命令し、看護部屋に入った。後ろからクラウディーストームがゆっくり入ってくる。
「クサノオウ取ってくるね」サンハートはそういって薬草を取りにいこうとした。が、途中でムーンナイトが入って来た。
「サンハート、わたしたち、固い絆がないとだめみたいよ」ムーンナイトはいった。ダンデリオンギャラクシーから何か教えてもらったの?
「ダンデリオンギャラクシーがよげ-」ムーンナイトはそこまでいって口をつぐんだ。クラウディーストームを見ている。
「あ・・・えと・・・・ちょっと話せる?」ムーンナイトは目を泳がせなごらいった。クラウディーストームどうしよう。
「ちょっと待ってて」サンハートは二匹にいうと、看護部屋から顔を出してメイプルポーを探した。メイプルポーは長老達のマダニ取りをしているはずだ。
「メイプルポー?来て!」
「はい、なんでしょう?」メイプルポーが長老部屋から出てきた。・・・ネズミの胆汁臭い。
「クラウディーストームを治療しててくれる?ムーンナイトと話があるから」サンハートは頼んだ。
「了解です」メイプルポーはサンハートの脇をすりぬけて看護部屋に入っていった。
サンハートも看護部屋に引っ込んだ。
「行きましょう」ムーンナイトが看護部屋から出ていき、サンハートも後を追って看護部屋を出た。ムーンナイトは戦士部屋の裏の隙間に入っていった。サンハートも隙間に入っていった。
「ダンデリオンギャラクシーが予言のことを話してくれたあとにギャラクシー族様が夢に出てきて、二匹に固い絆さえあれば一族を救えるっていったらしいの」ムーンナイトは話した。
「固い絆・・・・」サンハートはつぶやき、耳を後ろ足でかいた。
「サンハート!喉が痛いのだけれど・・どこ?」フラワースマイルの声がした。
「ごめん、行かなくちゃ!あなたも、ほら、戦士の仕事があるでしょう?またね!」サンハートはそういうと戦士部屋の裏から出てフラワースマイルのところへ行った。
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投稿 by シャイニングナイト Tue Aug 25, 2020 4:08 pm

第10章

私は朝早くに起きた。夜明けのパトロールをするためだ。すると、腹の虫が激しく暴れた。朝ご飯、食べてから行こうかな。私は獲物置き場に向かい、残っていた小さなモリネズミをくわえようとした。
「どけ。混血は食わずに飢え死にでもしとけ」
フレイムペルトが私を突き飛ばしてあざ笑った。フレイムペルトは私を足で抑えながらペロリとモリネズミを平らげた。私の顔は砂だらけになる。口の中にも砂が入り、嫌な味がする。
「じゃあな、ジェッドブラック族にでも行けばいいぜ」
フレイムペルトは歩き去った。
「大丈夫?今何かあった?」
ダークネスケーブが心配そうに聞いた。
「誰のせいだと思ってるの!!!」
ムーンナイトは涙目で怒鳴りつけた。ダークネスケーブの目に驚きと悲しみが浮かび、動揺している様子だ。
「ごめんなさい.......。でも、愛には適わなかったの。いつか分かるわよ」
ダークネスケーブはきまり悪そうに言った。
「真の戦士なら忠誠心を優先するわ!」
ムーンナイトは叫び、地面に爪を立てた。ダークネスケーブは怯えた目をし、涙を浮かべて走り去った。
「どうした?メンバー連れてきたぞ」
ティスルファーが言った。グラススプラウトとダヴフライトが後ろにいる。この2匹とはあまり関わったことは無い。基本私は嫌がらせで私の事が嫌いなメンバーとパトロールに行かされるからだ。
「行きましょうか」
ムーンナイトは平然とした様子で言った。まだお腹は空いていたし、いら立っていたが、それを隠した。
「あなたはの好物はなあに?私はね、魚が好きなの!」
グラススプラウトが優しく話しかけてくれた。
「鶏肉が好きよ」
私は警戒しながら答えた。もしかしたら仲のいいフリをして私の情報を探っているのかもしれないからだ。
「僕も、僕も!特にモリバトが好きなんだ!」
ダヴフライトが割り込んだ。
「私は.......、コマドリよ」
ムーンナイトは考えてから言った。
「あー、分かるよ!コマドリも美味しいよねえ!お腹すいてきたねえ」
ダヴフライトがニコニコ笑いながら言った。
「狩りをしましょ!まだみんな朝ご飯まだでしょう?」
グラススプラウトが勝手に提案した。
「いいんじゃないか?」
ティスルファーがうなずき、私の方を見た。
「私たちはパトロールに来てるのよ。だから.......」
私は反対しようとした。だが、自分のお腹の音が遮った。ムーンナイトは顔を真っ赤にしてうつむいた。ああ、また馬鹿にされるんだ。
「ふふ.......。お腹は正直ね」
グラススプラウトが冗談めかして言った。
「じゃ、狩りはOKだね!」
ダヴフライトは言うなり駆け出した。しばらくするとグラススプラウトとダヴフライトが帰ってきた。グラススプラウトは魚とネズミ、ダヴフライトはウサギとコバトをくわえている。
「魚は私のね!」
グラススプラウトは獲物を下に置くなり言った。ティスルファーは苦笑しながらさりげなくウサギを取った。
「はい、君のために鳥を捕ったんだ」
ダヴフライトは満面の笑みで私にコバトを差し出した。私は嬉しさで胸がいっぱいになった。そしてコバトを一口かじった。私は今までで1番美味しい獲物を食べた気がした。お礼を言おうと思ったが、上手く声が出ず、喉を鳴らした。
「よおほんでほらえふぁみふぁいふぁね!(喜んで貰えたみたいだね!)」
ダヴフライトは口いっぱいにネズミを食べながらモゴモゴ喋った。私は笑顔でうなずいた。みんなは満腹になるまで食事を楽しみ、少し雑談もした。
「さ、パトロールをしましょう」
ムーンナイトは言い、ジェッドブラック族との境界線へ向かった。そこには金色の猫がどっかり座っていた。
「サイドウェイズ族のパトロール隊を待っていたんだ。まさか混血の副長が来るとは。そりゃ好都合だ。今からこの1画を我々ジェッドブラック族の物にする。嫌なら今すぐ戦う」
サンダーギャラクシーが言った。今戦えばもちろん不利だ。応援を呼ばなくては。
「ダヴフライト、キャンプに戻って応援を」
ムーンナイトは鋭く耳打ちした。ダヴフライトはうなずくと勢いよく走り出した。サンダーギャラクシーはそれを見逃さなかった。
「応援を呼びに行かせたという事は戦うという事だな?よし、ではジェッドブラック族、かかれ!!!」
サンダーギャラクシーがけたたましい声で叫び、戦いが始まった。どうしよう、戦いが始まってしまった!
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投稿 by シャイニングナイト Tue Aug 25, 2020 5:05 pm

第11章

私はひとまず戦うしかないので戦った。後はダヴフライト次第だ。ティスルファーは自分より大きい雄猫と戦っていて、グラススプラウトは2匹を同時に相手にしている。サンダーギャラクシーが大きく飛び、雌猫を殴りつけていた私を押さえつけた。
「お前がミズルテイルの子か」
サンダーギャラクシーは興味深そうに言った。ムーンナイトは大柄な雄猫相手に敏捷に戦った。頭を使ったり、時には力任せに突進したりもした。だが、どんなに頑張っても追い詰めることは出来ず、体力が尽きてきた私は強く押さえつけられた。サンダーギャラクシーの熱い息がかかる。
「なかなかやるな。お前はジェッドブラック族の血も引いている。お前は使えそうだ」
サンダーギャラクシーの目が怪しく光った。私が横目で仲間を見ると、もう立ち上がれずにうずくまっている。敵が多すぎてあまりにも早く負けてしまった。ダヴフライトの応援は間に合わなかった。サンダーギャラクシーは叫んだ。
「お前たちは負けた、つまりこの1画は我々のものだ。そして、ムーンナイトを頂く。こいつはジェッドブラック族の血も引いている。つまり俺たちがコイツを貰う権利もある。サイドウェイズ族は負けたため、拒否権はなくなる。よって1画もムーンナイトも我々のものだ」
サンダーギャラクシーは宣言するなり、私を背中に乗せて走り出した。図々しいし、ずるいわ!パトロール隊を大勢で襲って勝利を勝ち取り、1画を盗ったうえ、私を誘拐するなんて!サイドウェイズ族に拒否権がなくとも私には拒否権があるわ!そう思うも、傷が痛み、何も抵抗できずに私はキャンプに連れていかれた。
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投稿 by サンウィング Tue Aug 25, 2020 7:55 pm

第12章

サンハートはソーンタロンの肉球のトゲを取っていた。
「よし、これでオッケー」サンハートはいった。
それからしばらくした頃、看護部屋の外で物音がした。パトロール隊が戻ってきたようだ。が、ムーンナイトの匂いがしない。
ソーンタロンも気付いたようで、ロを開けて匂いを嗅いでいる。
「ムーンナイトの匂いがしなくないか?」ソーンタロンがいい、二匹は看護部屋を出た。
パトロール隊はひどい姿だった。グラススプラウトは耳が裂けていて、ティスルファーは出血多量で死にそうなぐらい出血している。
「何があっ-」「早く手当てしないと!ダンデリオンギャラクシー、先に手当てさせてください!」サンハートはダンデリオンギャラクシーが状況説明をする前にパトロール隊を看護部屋に連れて行き始めた。メイプルポーも手伝っている。
「え、あ、ええ。わかったわ」ダンデリオンギャラクシーは目を見開きながらいった。
「そういえば、ダヴフライトは?」グラススプラウトが聞き、全員があたりを見回した。
「あら・・・・・いないわね。どうしたの?」ダンデリオンギャラクシーが聞いた。
「応援を呼びに行かせたんだ」ティスルファーが答えた。ダンデリオンギャラクシーが考えこんだ。
「どうしていないのかしら・・・・」
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投稿 by シャイニングナイト Thu Aug 27, 2020 8:09 am

第13章

ムーンナイトはドサッと地面に落とされた。傷口に砂が入り、更に痛みが増し、悲鳴を必死にこらえた。
「集まれ!集会を始める!」
サンダーギャラクシーの大声がキャンプに響いた。
「まったく。なんだってんだ?」
ミズルテイルが文句を言うのが聞こえてきた。
「しーっ。話が始まるわ」
ホワイトバタフライが優しく注意した。
「我々は今朝早く、サイドウェイズ族の境界線へ向かった。もちろん目的は縄張りを広げるためだ。パトロール隊を率いていたのはムーンナイトだった。俺はコイツと1体1で戦ってみた。なかなかの強さで使えそうだと俺は判断した。コイツはジェッドブラック族の血を引いている。負けたサイドウェイズ族にはもちろん拒否権はない」
サンダーギャラクシーは一気に喋った。そしてオレンジ色の目が私の方を向いた。
「だから、ついでに連れてきた」
サンダーギャラクシーは締めくくった。一族から賛成の声や、反対の声がドっと上がった。
「コイツは混血だ!使えない!」
ホリーテイルがぶしつけに叫んだ。私の毛が逆立った。ここでも私は混血だという理由でいじめられるの?
「いいじゃない。混血なんて気にしなくても」
ホワイトバタフライが言った。
「いや、関係ある」
ミズルテイルが反論の声を上げた。
「黙れ!どうなるかは分からない。でも試してみる価値はある、と言いたいのが分からんのか!」
サンダーギャラクシーが大声で怒鳴りつけた。みんなはいっせいに口をつぐみ、きまり悪そうにしている。
「でも、戦士の掟に反して産まれた子だ」
ホリーテイルがボソッと言ったが、誰も聞こえなかった。ムーンナイトは1人、怒りにかられていきり立っていた。誰がジェッドブラック族に忠誠なんか誓うもんですか!死んでもお断りだわ!私は永遠にサイドウェイズ族に忠実な戦士よ!
「リヴァーウェイヴ、キャンプの中を案内してやれ」
サンダーギャラクシーがぶっきらぼうに言い、族長部屋らしき場所にサッと消えた。
「御意」
リヴァーウェイヴはサンダーギャラクシーの後ろ姿に向けて頭を下げてつぶやいた。
「さ、行きましょ!」
リヴァーウェイヴはコロッと態度を変えて言った。これでも一応私はサイドウェイズ族の副長よ!もう少し礼儀をわきまえて欲しいわ。そう思っていたが、ハッと思い当たる事を見つけた。私は今、ただの戦士候補として扱われているんだ.......。私はとても惨めな気持ちでリヴァーウェイヴの後について行った。
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投稿 by シャイニングナイト Sat Sep 12, 2020 2:47 pm

第14章

あの日はまるで見習いのように扱われて過ごした。キャンプの中を案内され、縄張り案内もされた。敵部族にこんなにも縄張りを晒していいのか?私はあんたらに忠誠を違う気なんて一切ないわ。今は夜明けだ。今なら、抜け出せる可能性がある。
「あれ。起きるの早いね!」
声がした。ベリーフットだ。見つかってしまっては抜け出せない。私は今回は諦めることにした。
「ええ、まあ。そういうあなたこそ早起きね」
ムーンナイトは冷静に返した。
「まあね。夜明けのパトロールに行かなくちゃならないから」
ベリーフットは肩をすくめた。
「.......ね、ジェッドブラック族はそんなに嫌な場所じゃないって」
ベリーフットがいきなり切り出した。
「嫌な場所とは言ってない。ただ、サイドウェイズ族に帰りたいだけ。私の心をジェッドブラック族に向けさせるのは永遠に無理よ」
ムーンナイトはその言葉に食ってかかった。
「君が属すべきはジェッドブラック族だよ」
ベリーフットも言い返した。
「なぜ?!私はサイドウェイズ族に忠実なの!」
ムーンナイトは喚き散らした。
「君はジェッドブラック族の血を引いてるから」
ベリーフットは静かに言った。
「サイドウェイズ族の血も引いているわ!それに、育ててくれたのはジェッドブラック族じゃない!」
私は叫びながら気づいた。あれ?でも、サイドウェイズ族のみんなは私を信用してくれない。混血という理由でいじめる。認めて貰えない。私は悪くないのにまるで私が悪いかのように。そう思ったら何故サイドウェイズ族に忠誠を誓ったのか分からなくなってきたわ。そうだ、こうしよう。私は抜け出さない。サイドウェイズ族が助けに来てくれるのを待つ。迎えに来てくれたら喜んで帰る。でも、迎えに来てくれなかったら、私はジェッドブラック族に忠誠を誓うわ。私はとにかく、大事にされたい.......。
「おーい。君もパトロールに行く?」
ベリーフットが呼んでいる。私はうなずいて隣に立った。ベリーフットが嬉しそうに目を輝かせる。こうして私はサイドウェイズ族を試すことにした。
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投稿 by サンウィング Sat Sep 12, 2020 7:04 pm

第十五章

「ムーンナイトを」ダンデリオンギャラクシーが言葉をきった。「救出に行きます」
「ダンデリオンギャラクシー、発言いいですか」フレイムペルトが発言を求める。ダンデリオンギャラクシーが小さくうなずくとフレイムペルトは発言しはじめた。
「ムーンナイトは、混血です。だから、ジェッドブラック族に属してもいいんじゃないですか?」フレイムペルトがいった。サンハートは驚いた。ムーンナイトのことをそんなふうにいうなんて!そして、サンハートはなんでもわかる特別な力を使おうとフレイムペルトのことをじっと見つめる。
すると、頭にフレイムペルトの考えが浮かんできた。。
『ムーンナイトとか混血は追放すべきだ。たとえ副長だろうと』一番最初に見えたのはこの考えだった。サンハートはこれだけでも耐えきれずにフレイムペルトから目をそらした。
「・・・救出部隊には」サンハートが注意をダンデリオンギャラクシーに向けると救出部隊のメンバーをいうところだった。作戦は看護猫だから聞いてある。
「サンハート、メイプルポー、ティスルファー、グラススプラウト」メンバーを発表した。
「では、行きましょう」

ダンデリオンギャラクシー達はジェッドブラック族との境界線についた。ここでパトロール隊に会って族長と話したい、と頼むのだ。
「待ちましょう」ダンデリオンギャラクシーがいってそう時間がたたない頃、パトロール隊の姿が見えた。サンハートはムーンナイトの姿を見つけた。あっちのパトロール隊に参加している!あ、参加させられているだけかも。
「っ、あなたたち、なに?境界線よ、そこは!」リトルラビットだ。一緒にいるのはラウドアイ、ベリーフット、そしてムーンナイトだ。
「こんにちは、リトルラビット。それにラウドアイ、ベリーフットも」そういいながらダンデリオンギャラクシーはムーンナイトに目を向けてパチッとウィンクしていた。ムーンナイトはジェッドブラック族のパトロール隊に見つからないように目を輝かせた。
「あなたがたの族長さんとお話したいのだけれどいいかしら?」ダンデリオンギャラクシーがきいた。「どうせムーンナイトを引き取りに来たんですよね?ま、話ぐらいはいいですよ。連いてきてくださいよ、ちゃんとですよ?」ベリーフットがくるりと背を向けていった。ラウドアイは後ろにつき、リトルラビットは横についた。
サイドウェイズ族の者はジェッドブラック族のパトロール隊に連いていった。
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投稿 by シャイニングナイト Sat Sep 12, 2020 8:09 pm

第16章

ムーンナイトは心が弾んでいた。やっぱり迎えに来てくれたわ!だが、すぐ反論した。いいえ、サンダーギャラクシーが返さなければ諦めるかもしれない。そうよ、まだ分からない。
「なぁ、君帰る気かい?」
ベリーフットが小声で聞いてきた。
「当たり前よ」
ムーンナイトは鋭く返した。ベリーフットのが傷ついた表情をするが、私にはどうでもいい。
「ジェッドブラック族は酷いところじゃないわ」
リトルラビットが反抗して唸った。
「酷いところとは言ってない!」
ムーンナイトは牙を向いた。
「落ち着け。どうするかは族長達が決める」
ラウドアイが私たちをたしなめた。ジェッドブラック族のキャンプにつくと、みんなが目を見張った。
「何の用だ、ダンデリオンギャラクシー?」
サンダーギャラクシーが唸り声でたずねた。
「しばらくね、サンダーギャラクシー。ムーンナイトを返して頂きたく参ったの」
ダンデリオンギャラクシーは笑みをたたえた表情で礼儀正しく頭を下げて要件を伝えた。
「断る。負け猫には渡せないな」
サンダーギャラクシーは馬鹿にしたように笑った。
「それはあなたが卑怯な手を使ったからでは?」
ダンデリオンギャラクシーがイラつき始めているのが、副長であるムーンナイトには分かった。
「負け猫は負け猫だ。それと、卑怯ではなく賢いと言え」
サンダーギャラクシーは考えを曲げない。
「そうですか。でも、ムーンナイトは返してもらいます」
ダンデリオンギャラクシーが言った。
「1度手に入れたものは手放さない主義なんだ」
サンダーギャラクシーはニヤッとした。
「ならば、力ずくで取り返す!」
ダンデリオンギャラクシーは叫んだ。また人数が少ないじゃ.......。ムーンナイトはそう思った。だが、すぐ思い直した。みんなはサンダーギャラクシーのみを狙って飛びかかっていたから。サンダーギャラクシーを倒せればもう、こちらの勝ちだ。
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